NCsoft、『ROM』を巡る著作権訴訟で一審敗訴―『リネージュW』のゲームシステムは保護対象外と判断

韓国のゲーム会社NCsoftが、MMORPG『ROM: Remember of Majesty』を巡ってRedLab GamesとKakao Gamesを訴えていた著作権侵害訴訟で、一審敗訴となった。NCsoftは判決を不服として控訴する方針を示している。

韓国のソウル中央地方裁判所・民事合議第62部は2026年7月9日、NCsoftが『ROM』の開発元RedLab GamesとパブリッシャーのKakao Gamesを相手取って起こした、著作権侵害行為の差し止めなどを求める訴訟について、NCsoft側の請求を棄却した。

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『リネージュW』のシステムやUIを模倣したと主張

NCsoftは2024年2月、『ROM』が同社のMMORPG『リネージュW』のゲームコンセプト、主要コンテンツ、アート、ユーザーインターフェース、演出などを広範囲に模倣したとして、韓国で民事訴訟を提起した。

主な争点となったのは、『リネージュW』に採用されている以下の要素だった。

  • 変身およびマジックドールシステム
  • 装備強化システム
  • アイテムコレクションシステム
  • プレイヤー同士が戦うPvPシステム
  • 等級表示やNPCなどの視覚的表現
  • これらを組み合わせたゲーム全体の構成

NCsoftは、これらの構成要素には他作品と区別できる創作性があり、『ROM』が無断で模倣した行為は著作権侵害に加え、不正競争防止法上の成果盗用にも当たると主張していた。

NCsoftは韓国での提訴と同時に、台湾の知的財産・商業裁判所でも、著作権法や公平交易法に違反するとして民事訴訟を起こしている。

裁判所「ゲームシステムはアイデアに当たる」

裁判所は、NCsoftが権利を主張した変身、マジックドール、装備強化、アイテム収集、PvPなどのシステムについて、基本的にはゲームの「アイデア」に当たり、創作性が認められる場合でも著作権の保護対象にはならないと判断した。

また、一部の視覚的表現には創作性や類似性が認められるものの、それらを組み合わせたゲーム全体の構成が、既存の先行作品と区別できる独自の創作的個性を持つとは認めにくいとした。

『リネージュW』と『ROM』の主要構成要素についても、相当部分が異なっており、利用者が両作品を混同する可能性は比較的低いと判断された。

そのため裁判所は、RedLab GamesとKakao Gamesによる『ROM』の開発・提供が、『リネージュW』に対する著作権侵害に当たるとは認められないと結論付けた。

不正競争行為についても認めず

NCsoftは著作権侵害だけでなく、『リネージュW』に投じた資金や労力によって生み出された成果を『ROM』側が無断利用したとして、不正競争防止法上の成果盗用も主張していた。

しかし裁判所は、『リネージュW』の各要素やその組み合わせをNCsoft独自の成果として認めることは困難であり、RedLab GamesとKakao Gamesが公正な商取引慣行や競争秩序に反して無断使用したとも認められないとして、この主張も退けた。

NCsoftは控訴へ

Kakao GamesとRedLab Gamesは一審判決について、裁判所の判断を尊重するとの立場を示した。

一方、NCsoft側は判決文を詳細に検討したうえで、上級審で改めて判断を求める方針を表明している。このため、今回の判決は確定判決ではない。

NCsoftは『ROM』とは別に、Kakao GamesとXL GamesのMMORPG『ArcheAge War』が『リネージュ2M』を模倣したとして起こした訴訟でも、2026年3月に控訴審で敗訴している。

一方、WebzenのMMORPG『R2M』を巡る訴訟では、NCsoft側の主張が一部認められた事例もある。ゲームシステムの類似性が直ちに著作権侵害となるわけではなく、具体的な表現や構成の創作性、両作品の実質的な類似性が個別に判断されている。

『ROM: Remember of Majesty』とは

『ROM: Remember of Majesty』は、RedLab Gamesが開発し、Kakao Gamesと共同でサービスしているPC・モバイル向けMMORPG。2024年2月に韓国や台湾を含む複数地域でサービスを開始した。

大規模なフィールド戦闘や攻城戦、アイテム収集、装備強化など、韓国系MMORPGで広く採用されている成長・対人コンテンツを特徴としている。

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